20~30代向け

お花畑な婚前契約書

20代~30代世代の契約書に多い類型ですが、財産契約とは無関係な条項を定めるものを見かけます。

この世代の方々の場合は、財産関係の整理の問題より、夫婦の在り方、例えば、お互い体型・体重を何キロに維持する、化粧の頻度、ベッドを共にする回数、挨拶の頻度、家事の分担等について定めた「契約書」が多いような気がします

また、冗談のように聞こえるかもしれませんが、第1条から最終の条項まで、すべて二人の愛情を確認するための方法に関する条項で占められ、財産に関する契約について全く触れていないものもありました。

家事の分担をその都度じゃんけんで決めるという面白い契約もありました。

もちろん、財産の分配に関する基本的な考え方、生活費の支出割合に関する合意条項があっても、二人の状況が変更した場合に、対応できないようなものが多い印象です。

私と妻との婚前契約書には、簡単な紳士条項はありますが、上記のような類の条項は多くはありません。

しかし、そういった条項が全く不要かというと、そうではないと思います。

夫婦生活を送ってみて、財産契約以外に関する部分で、こういう条項については、あってもいいかもしれないなと思う条項がありました。

その契約とは、日常生活において、些細なすれ違いや思い違いで衝突が起きたときの喧嘩の方法についてです。喧嘩の際の相手を攻め上げる際の禁止ロジックを定めた条項です。

ある夫婦の契約書において記載されていたものですが、単に「思いやりをもって接する」という条項よりも普段の生活に落とし込みやすくなっています。

①現在の夫の(問題)行動に関して、(無関係な)過去の事実を挙げて非難しない

②妻の行動を非難する際は、妻に柔軟性があることを理解し、妻に対して先入観を持って非難しない

③支出についてもめた時は、夫の収入に関連付けて、買う買わないを論じない

①と②は、夫妻双方とも、交際期間中、喧嘩した際に不快に感じた非難を一般化したものだそうで、見てみると、①②とは、ほぼ同じことを表現していて、お互いに「あなたはいつもそう」というレッテル張りをしないようにしようという取り決めであることがわかります。

③については、これは男性の皆さんならわかると思うのですが、女性側が、夫の収入について不満を持っているとか、それを非難するような言い回しをするときって、夫としては自分では変えようのない事項についての非難については反論のしようもなく、また、夫の日常の努力を否定されているように感じられてしまい、プライドが大きく傷つけられることから、これを禁じるものです。夫曰く、妻に「節約しなきゃいけないからアマゾンプライム会員を解約してほしい」と言われただけで(またその言い方に腹が立って)、喧嘩になったケースがあったそうです。

以上のような経緯を踏まえて、夫妻は上記のような条項で合意をしたようです。

交際期間中に言われた(或いは言った)非建設的な言い回しを思い出し「あのような言い回しで責めないでほしいな」というものがあれば、一般化して、禁止ロジックを書き起こしてみると面白いかもしれません。